車査定マニュアル

トップ > 車の査定価格・査定額 > 中古車の査定額の決まり方・基準価格の算出方法について

中古車の査定額の決まり方・基準価格の算出方法について

実際に中古車の査定を依頼した経験がある人は分かりますが、中古車の査定額は各業者によって異なります。そのため、なぜ査定額は異なるのか、疑問を感じてしまうケースは少なくないものです。

中古車の査定額の決まり方には、一定の基準が設けられているものの、買取業者によって査定額が変わることには理由があります。

そこで今回は、中古車の査定額の決まり方について取り上げながら、査定基準のひとつである加減点基準など詳しく解説していきます。

中古車の査定額の決まり方ってどうなっているの?

中古車の査定額は、買取業者が自由に決めているわけではありません。一定のルールが存在します。まずは、査定額の決まり方について詳しくみていくことにしましょう。

まずひとつ押さえておきたいのは、どの業者に査定を依頼しても査定の基準に違いはないということです。査定基準は、「一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)」が定めています。

査定基準の中には、査定基準価格と呼ばれるものがあり、買取業者はこの価格を参考にしながら、各車両の基本価格を決定し加減点方式で査定額を算出しているのです。

つまり、「基本価格 ± 加減点 = 査定額」ということになります。

査定基準価格について

JAAIが定める査定基準価格は、以下の2つのポイントを押さえた上で決められています。

標準的な整備が完了した中古車
外装、車の機能やコンディションが整っている状態の車

ようするに、中古車市場の取引実績を参考にしながら、車の査定をする際に規準となる査定基準価格を決めているということになります。査定基準価格は、季節、回転率によって変動があり毎月更新されるものです。

なお、このあとの項で詳しく触れますが、中古車の査定額を決める際は、オートオークションの相場も加味されます。このオークション相場は、中古車市場の取引相場とやや違いがあるものです。

実は査定基準価格にはオートオークションの相場は含まれていません。つまり、中古車市場の取引実績を参考に査定基準価格を定めているとはいえ、リアルタイムの中古車市場相場ではないといえます。

基本価格について

各買取業者は、JAAIの査定基準価格を参考にしながら、以下のポイントを踏まえた上で基本価格を決めています。

標準整備費・標準諸掛

エンジン、足回り、電装など、整備をする際に必要となる費用、見込まれる利益、買取から再販までにかかる期間による減価のことを指します。

特別調整

在庫状況、車の部品価格、業者の販売力など、主に運営にかかわる費用などを踏まえた上で設定されます。

上記以外でもうひとつ押さえておきたいことがあります。それは、車の標準状態です。JAAIでは、以下の6つの項目を中古車の標準状態としています。

項目 標準状態の概要
1 外装・内装は無傷であること
2 エンジン・足回りは走行に支障がなく良好であること
3 車検の残り月数は3ヵ月以内であること
4 走行キロ数は標準であること
5 タイヤの残り溝は1.6mm(スリップサイン)以上であること
6 事故修復歴や、改造工作がなく損傷減価要因(腐食・臭い)等がないこと

参照:一般財団法人日本自動車査定協会

つまり基本価格とは、車が標準状態だった場合の価格なのです。また、査定をする車と標準状態を比較し、査定をする車の状態が良好であれば加点、損傷などがあり劣る場合は減点されて査定額は決まります。

加点・減点の基準とは?

査定士が査定をする際は、チェックシートと呼ばれる表のようなものを使って加減点を行います。チェックシートは、査定する業者によって査定内容が異ならないようにするために使用されているものです。

自動車メーカーや買取業者によってチェックシートの形式はやや異なりますが、チェックする内容に違いはありません。

また、査定時にチェックする項目は11項目に分かれており、さらに細分化されて50カ所以上確認していく仕組みとなっています。

【関連】査定士が見るところはココ!査定時のおもなチェックポイントと査定基準

加減点の基準はJAAIが定めたものを使用しており、主な内容は以下のとおりです。

車の年式・駆動方式・車体番号など
車の形状やミッションの種類
定期点検の内容
外装・内装
修復歴の有無
タイヤやホイールの状態
走行距離
装備品の状態
自賠責保険の残存期間
保証書・整備手帳・取扱説明書の有無

など

参考までに、今回は5つの査定基準の加減点について取り上げながら、詳しく見ていくことにします。参考にしてください。(今回取り上げた査定基準の表の参照元はすべてJAAIとなります)

外装

外装で加点されるポイントは「板金修理や補修跡などがないこと」「減点に該当する凹みがないこと」「傷などがないこと」となっています。無傷の場合は40加点、無減点(みがき減点は除く)は20点加点です。

【関連】板金塗装した車は査定額が下がる?板金塗装って黙ってても査定時にバレるの!?

みがきとは、爪が引っ掛からない程度のキズ、水あか汚れなどを指します。また、減点に関しては、以下の表のとおりです。このほかにも、キズや凹みなどの範囲、損傷の状態によって減点される点数は異なります。

基本的に、1cm未満のキズや凹みであれば減点の対象にはなりません。

査定区分 加減点の区分および細則/加減点 減点
価値加減点 1cm未満の傷、凹みは無減点とする
外版に交換跡、波状の修理跡及び塗り替え跡のあるものは減点とする
[波状の修理跡、交換跡](パネル単位)
波状の修理跡、交換跡のあるものは、パネルごとに減点とする
(修復歴・外板価値減点適用箇所を除く)
10
細則
1)同一パネルに波状の修理跡、交換跡が重複している場合はそれぞれ減点する
2)同一パネルに価値減点と修理が重複している場合、それぞれ減点し、板金減点(大)を上限とする
-
[塗り替跡](1台単位)
使用開始後原色以外の一般色に塗り替られたもの
細則
1.外板のみを塗装した乗用車系の車両(3,5,7,8ナンバー車両)に適用する
(修復歴・外板価値減点適用車両にも同様に適用する)
2.原色意外の特殊色に全塗装したもの
100
250
修理 [みがき](1台単位)
爪の引っかからないうすいすり傷及びタールの付着、水あかの汚れ
5

タイヤ

タイヤの場合、インチと溝の深さによって点数は異なります。溝1.6mm以上が標準状態です。逆に1.6mm未満の溝しかない場合、減点されてしまいます。また、以下の表をご覧いただくと分かるとおり、加点の点数は高くありません。

逆に減点の点数は高めに設定されています。そのため、車を査定に出す際、できるだけ査定額を上げたいからといって新しいタイヤを購入することは避けましょう。

プラス査定になったとしても、査定額がタイヤの購入費より高くなることはありません。

残り溝mm
インチ スペア欠品
()内はアルミ
1.6mm未満 1.6mm以上 5mm以上 ホイール交換
()内はアルミ
19以上
- (82)
35
0
+8
-47
18
- (68)
30
0
+7
-38
17
- (57)
25
0
+6
-32
16
27(46)
17
0
+5
10(29)
15
22(36)
13
0
+4
9(23)
14
18(31)
10
0
+3
8(21)
13以下
16(29)
9
0
+2
7(20)

車検残

車検の残存期間に関しては、マイナス査定がありません。今回は12カ月分の査定内容を抜粋しました。1ヶ月から3ヶ月まではプラスマイナス0査定、4ヶ月以上からプラス査定となります。

【関連】車の売却は車検前と車検後どっちが得?そもそも車検切れでも車は売れるの?

先ほどのタイヤの場合と同様、査定前に車検に通すことは避けた方が無難です。2年分の車検期間があったとしても、車検費用を賄うことができるほど査定額は高くなりません。

クラス 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
0
0
0
3
5
7
9
11
13
15
17
20
0
0
0
3
5
7
9
11
13
15
17
19
Ⅱ・Ⅲ
0
0
0
2
4
5
7
8
8
12
13
16
0
0
0
2
4
5
7
8
8
12
13
15
0
0
0
1
1
2
2
3
3
5
6
7

エンジン

エンジンの加点基準は、以下の2つです。2つのポイントをクリアしている場合、15点加点されます。

査定日からさかのぼり、乗用車と軽自動車は1年以内に法廷点検整備を受けたことが「定期点検整備記録簿」から分かる。
法定点検整備については、乗用車と軽自動車は1年または2年点検整備が該当となる。

また、減点基準に関してですが、エンジンの種類によって異なる仕組みです。まずは以下の表をご覧ください。

ガソリンエンジン 基本 油汚れ等がなく、手入れも良く、一般調整程度で再販可能なもの
減点
調整 アイドリング不良、排気色黒、ルーム内汚れ大
20
修理 タイミングベルトの異音、ヘッドガスケットよりのオイルもれ、排気色白色のもの
60
O/H エンジン始動せず又は焼付き等
実費
ロータリーエンジン 基本 油汚れ等がなく、手入れも良く、一般調整程度で再販可能なもの
調整 アイドリング不良、排気色黒、ルーム内汚れ大
20
修理 エンジンからの異音
60
O/H エンジン始動せず又は焼付き等
実費
ディーゼルエンジン 基本 油汚れ等がなく、手入れも良く、一般調整程度で再販可能なもの
調整 アイドリング不良、排気色黒、ルーム内汚れ大
20
修理 排気色白色のもの
90
O/H エンジン始動せず又は焼付き等
実費

エンジンの種類よって、やや内容は異なります。定期的にオイル交換をしてエンジンルーム内を綺麗にしたり、エンジンの調子が良好であれば減点されることはありません。

保証書・整備手帳・取扱説明書

保証書・整備手帳・取扱説明書が3点揃っていると10点加点されます。一方、紛失、汚損、破損しているときは、以下の表のとおり減点される仕組みです。

車両クラス 1年~5年 6年~
保証書・整備手帳
特・Ⅰ・Ⅱ
40
30
Ⅲ・Ⅳ・軽
20
10
取扱説明書の場合
特・Ⅰ・Ⅱ
5
Ⅲ・Ⅳ・軽
5

再発行して減点を防ぐことはできますが、整備手帳に関しては注意が必要です。なぜなら、再発行した定期点検整備記録簿に、それまでの記録を転記できないことが関係しています。

白紙の状態で定期点検整備記録簿を提出しても、それまでの点検記録が分からないことから、たとえばエンジンの査定を行う際に加点の対象とならないことがあるのです。

このような事態に陥らないためにも、日頃から紛失しないように気を付けましょう。

【参考】車を売る時に保証書・整備手帳・取扱説明書があると買取価格はアップする?

なぜ買取店によって査定額は違うの?3つの理由

最後の項では、なぜ買取店によって査定額が違うのか、3つの理由について詳しくみていくことにします。

基本価格に違いがあるから

すでにお伝えしたとおり、基本価格は買取業者ごとで異なります。なぜなら、標準整備費・標準諸掛や特別調整に違いがあるからです。

たとえば、自社に整備工場がない買取業者の場合、外部の整備工場に委託して買い取った車を整備することになるため、整備費用は割高となります。そのため、基本価格が他社よりも下がってしまうことがあるのです。

基本価格が異なるといっても、極端な違いが見られるわけではないものの、少しでも高く車を売却したいのであれば、業者ごとで基本価格が異なることを踏まえた上で、複数の買取業者に査定を依頼した方が良いといえます。

業者ごとでニーズに違いがあるから

業者ごとでニーズに違いがあることも、査定額が異なってくる理由のひとつです。これは大きく2つに分かれるため、より詳しく解説していくことにします。

得意分野が違う

たとえば、SUV車の買取を得意とする業者に軽自動車の査定を依頼しても、相場並みの価格でしか買い取ってもらうことはできません。人気車であれば多少査定額がアップすることはありますが、高額査定は期待できないのです。

そのため、愛車の車種、需要を把握した上で、愛車の買取を得意とする業者に査定を依頼することが大変重要となります。

オートオークション相場を査定額に反映させているから

ほとんどの場合、買い取った車はオートオークションに出品しています。ですから、査定基準に沿って査定額を決めているだけではなく、車を売却するタイミングのオークション相場も査定額に反映されているのです。

オークション会場は全国に点在しており、毎週オークションが行われています。地域ごとで車の需要は異なるため、オークション相場は全国一律ではありません。つまり、愛車のオークション相場は、地域によって変わってくるということです。

オークションで需要のある人気車の場合、査定額は上がりやすくなりますが、逆に不人気者は査定額が下がりがちとなります。

このような違いから、買取業者ごとで査定額は変わってくるのです。

ページトップへ戻る